「はっぴぃさん」

はっぴぃさん

はっぴぃさん

荒井良二さんの絵は、ハッキリした色彩とユーモアあふれるキャラたち。読むとほのぼのします。
でも、表紙をめくった裏表紙の部分に、エンピツ書きの「ボロボロの町と戦車」という風景が書いてあって、すごくドキッ!としてしまった。
本編の方は、いつものように明るい色彩で、別の町に住む少年と少女が、願いをかなえてくれるという「はっぴぃさん」に会いに、山のてっぺんめざして登り、二人出会って話をするという話がかわいく進んでいくんです。でも、遠景にはやはり戦車。願うのは自分の欠点が治りますようにということ。戦争のある町でも、子供の世界は変わりないのかも。
はっぴぃさんは現れたのか現れなかったのか、わからないけれど、正反対の二人はお互いに、欠点も見方を変えると欠点じゃなくなるんだってことを学びます。
そうやって見方を変えて、相手の個性を認めれば、戦争だってなくなるんだろうに・・・。
何だか、いろんなことを考えさせられる絵本です。
★5、6才から★
◆絵本ナビ「はっぴぃさん」